REAL HOPE Ⅳ
私は持ってなかったから。レツや皆に会うまで何にも信じなかったから…絆なんて無かった。
「ジュン、」
レツに呼ばれ振り返ると、レツはすでに特攻服から制服に着替えていて
「話しがある、家まで送る」
久々に聞いたその単語、ここ最近言われる事の無かった“送る”という言葉に、喜んだのと同時にビクリと体が震えた。
話しって何だろう…私は何を言われるんだろう……
聞きたくない。
何も聞きたくない。
“別れ”なんて聞きたくない。