REAL HOPE Ⅳ
「仕事、覚えてた」
「……仕事?」
「あぁ、この前お前が俺の家に来た時親父が言ってただろ。親のスネかじってた奴が女養えんのか」
「………」
「今まで好き勝手やってきて、迷惑かかってないとでも思ってんのかって」
レツは私の手を握っているのとは反対の手を制服のポケットに突っ込む。
「言われて気が付いた。自分の考えがどんなにガキだったか、ただ親父が嫌いだから意地はってただけなんだって」
「…うん、」
私はレツの言葉をゆっくりと聞き入れるようにして見つめる。
「俺を育ててくれたのも養ってきたのも親父なのには違いない。それに今ごろ気が付いた」
「………」
「だからこんなんじゃダメだって、お前との未来を考えるならこんなガキみたいな考えじゃダメなんだって思った」