REAL HOPE Ⅳ



何も話さずうつ向く私に、ハルマは私の持っていた鞄を勝手にひょいっと持ち上げて自分の肩にかける。



え…っと……
何故私の鞄を持つの?



「予定…ある…」



疑問を持ちながらも凄く小さな声で、精一杯の声で呟いたのも意味なく



「そっかぁ、じゃあその予定キャンセルね」



「へ?」




ニッコリとこっちを見ているハルマのその顔と声は、いつもと違う。笑ってるんだけど笑ってない…初めて見るもの。



いや、正確に言えば二度目


あの日、私がハルマは怒らせちゃいけないと理解した日


初めて倉庫にたくさんの連合郡の総長様が来た日





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