DOLL+〜ボロボロだった俺の女〜
「えっ……、なんでしょうか?」



あたしは冷静。
悲しいくらいに平然にその人物に言う、はずが。


目の前の人物に驚きを隠さずにはいられなかった。


「………野々宮…藍さまでしょうか?」



想像していた借金取りは、ヤクザのツンツンした男達。


でも、目の前の光景には…紳士的なおじさんが一人……

優しそうな笑みで笑っていたんだ。





「えぇ……そうです」


まったく正反対の光景にあたしは驚くばかり。



「実は、藍様にはお伝えしたいことがありまして……」


おじさんが苦々しく口を開く。


……解っているのに。
苦々しく私を見ないで。



「………借金ですか」



そう思いながらも
はあ、と息をつき、平然を保つ彼女。

老人は驚いたそぶりを見せる。




「……えぇ。そうなんですよ」



そしてまた、表情を曇らせていく、老人。

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