DOLL+〜ボロボロだった俺の女〜
その老人の姿を眺めつつも、彼女は怪しげに笑いながら……



「………なんでもいたしますよ」



そう真剣に言い放った。




「本気ですか?」



老人が私の目をしっかりと捕らえる。


一見、優しげに言っているようにも見える。

でも…違うのは目つき。


老人の目つきが、さっきよりも瞳の輝きを、十倍……いや二十倍と、鋭く光る所を私は見逃さなかった。



「マジでございます」



冷淡と


刻々と


私は自分に告げる。




これは、自分自身の戒め。


私は、借金を返済せねば……ならない。




それでも彼女は老人の鋭い目つきには、屈しなかった。
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