DOLL+〜ボロボロだった俺の女〜
「……美空」


急に、厳しい声でママに呼ばれる。



「………ママ?」


その様子に動揺せざるおえない。



不意に、頭上から手が私の頭に乗せられた。


……その手は温もりを帯びていて、そして私の頭を撫で始める。


−−−その手は、もちろんママで。



「温かい…温かいよぉ………っ」


何故か、涙が出ていた。


頬につたう涙。
その涙の正体はなんなのか……私でも解らなかった。



ママはその私を優しく、すっぽりと抱きしめる。


そして私も何故だかすっぽりと、ママの腕の中に入っていった。



ママと呼ばれる女は目を細めて、優しく微笑をこぼし、その腕の中にある女を…

まるで母親のように抱きしめていた。



「……美空。

あなたは気にしなくて良いのよ。

周りに釣り合う、釣り合わないじゃなくて……その場所に馴染むことが大切。

するとね、すぅっといつの間にか、雰囲気に馴染んでいく」



にこり、彼女に対して答えをくれるママ。
そして続きの答えもママが話し出す。



「要るわよー!

花の女子高生でしょ?
だったらオシャレを楽しまなきゃダメ!!
今楽しまないとこれから先……後悔する」


だから、余計な心配は駄目よ?

最後にママはこう言った。



そう言われると何故か、その考え方もありだなと私の心の中で……

いくつかの一つの何かが増えた気がした。
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