DOLL+〜ボロボロだった俺の女〜
「何が良いかしらね~?」


鼻歌を吹きながらスキップをするママ。

「……」

その愉快な様子に、少し呆れそうになるのは美空だけだろうか。


「美空、これはどう?」

「え……っ」


ママが手に取った服は、まるで魔女のような黒いレースのゴスロリ。
そう、今までの美空では絶対に着ることはなかった系統でもあって。


「……あ、良いんじゃないですか」

なんて曖昧な。
などと思ってしまう程のたじたじした様子になってしまう。



「嫌だったら、言ってね? 無理矢理何て、嫌だから」


「……ほ…欲しいですっ」


ママは目を丸くし美空を見た。

美空は驚く様子を見せているママに笑みを向けた。

大丈夫だよって、無理矢理何かじゃないよって、
その笑顔は眼は、必死に訴えていた。



「美空……」


「……一度、こういう服も着てみたかったんだ!」



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