DOLL+〜ボロボロだった俺の女〜




『嘘…−−−』




その時、わたしは大切なもの、ひとつを
冷たい地面に…落とした。





「嘘じゃない。
借金もあるから、上手くやっといてな〜」



何も悪気がない一言。

そう言われて、何故か泣きたくなる。


しかし泣きたくなる衝動と同時に、その言葉にぴんと来るものがあった。



借金=上手くやってけ=借金取り。
追われる身=娘じゃない…=借金払うのは、お前。


そう頭の中で私は連想していく。
そして……繋がる意図たち。



はは…っ
そーゆーこと。

だとしたら、大した馬鹿野郎達だ。



私は初めて、この世で“親”という存在が……



“にくい存在”と化した。
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