罪な恋はダメですか?
逃走
「もう少し走ろ?!あの山まで!」
「うん!」
夜空の下をかける2人の恋人。繋がれた手が物語っていた。どこにもないような…絆と愛で結ばれていた。
もう20分ばかりは走っている。なぜかって?そう…問題があったのはほんの数時間前…
-数時間前愛しい人がこの世を去った。
「お母さん、お父さんもうやめて!」
毎日耐えない夫婦喧嘩。
「うるさい!黙ってろ」
バンッ
顔を平手打ちされる。体は傷だらけ。学校にも通っていない。こんな毎日…もういやだ。
「愛美!!あなた…愛美には手をださないで!」
私と同様に傷だらけのお母さん。もう…家庭崩壊していた。
そう。お父さんが会社をリストラされた日を境に、幸せだった家族が崩れていった。