罪な恋はダメですか?
辺りを見わたす。そこにはお酒を飲んでるお父さんがいた。
「お父さん…お母さんが…」
「あ?ぁあ。うるさいからだまらした。」
お父さんはもう…異常だった。
「だ、黙らしたって…お母さん、息してないよ?!死んじゃったんだよ?」
「で?俺にはもう必要ねえんだよ。」
もう。ダメだった…
この頃のお父さんは…昔の面影すら残っていなかった。ただのお酒に洗脳されるがままなお父さんだった。
とっさに家から飛び出した。行くあてもないが…ただいたくなかった。
「愛美?さっきぶり!」
「大地…」
どうして大地が?ああ…無意識に来てたんだ。ここ、大地の家の近くだもん。
「大地…大地…お母さんが…お母さんが」
「おばさんがどうした?ゆっくり話してみろ?」
誰かに助けて欲しかった。涙がこぼれてくる。優しかったお母さんを奪ったお父さんが憎い…私には寂しさと、憎しみしかなかった。