【短編】さくら、咲く。
先輩の背中
体育館は在校生が続々と集まっていて、ガヤガヤと騒がしい。



「静かに!速やかに並びなさい!」


先生の声がマイクで響く。




「遅くなってごめんっ」


みんなに謝り、急いで楽器を準備する。



目、赤くなってないかな…?


泣いたのバレなきゃいいな…。



制服のポケットから小さな鏡を取り出し、こっそり目元をチェックする。


よかった…


さっき走ったおかげで、涙は乾いていた。
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