【短編】さくら、咲く。
それでも茜は気にせず話しかけてくる。




「ねぇねぇ、ミキ、さっき泣いてたでしょ?」



うっ。


やっぱり茜にはバレてたんだ。


何も言わないから、気づいてないと思ってたのに…。


動揺を隠せない。




「え…?何のこと?」


「しらばっくれても無駄よ。先輩との思い出に浸ってたんでしょ?」



精一杯の知らないふりも、茜には通用しない。



あたしは仕方なく、こくん、と小さく頷く。
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