寂しさを埋めて
ぱっちり、と開かれる瞼。
現れる、熱に潤んだ瞳。
「淳兄(じゅんにい)……?」
痛みに掠れた、音にならない声。
見つめた瞳が濡れていて…。
藍希が、見つめる。
視線を見つめ返す。
__目が、ばっちり合う。
目、が………。
「…ぇっ……!」
はっと我に返ると、淳は弾かれたように藍希から顔を離した。
「あっき!おまっ起きて!?」
無意識に熱くなる頬と驚きに見開かれる目。
自分でも不様だとは思うけど、どうしようもなくて。
薬が効いて眠っていると思っていた藍希は、少しだけ顔を動かして肯定した。
「__っ!」
「淳兄…?さっき何て言った、の…?」
か細い声が全てを聞いていたことを示していた。
半ばパニクっていた淳は、それを聞いて何故か心が落ち着いていくのを感じた。
覚悟が決まったと表現するのが、一番正しいかもしれない。