シャボンの国 -the land of soap bubbles-
窓を開けてストローをしっかりと奥までつけて息を吹きかけた。



一瞬膨らんだかの様に見えたソレはすぐに破裂してしまい、もう一度同じ事をすればすでに液体がなくなってしまったのか、シャボン玉の姿さえ目に映し出す事は無い。







「………あほくさ、」






一体、自分は何をしてるというのだろう。



古すぎるシャボン液が未だに使えるわけもないのに。



わざわざ昔の事を思い出して、ストローまで探し出して。



花音が自分自身に呆れたのと同時―――。





「………え?」





細かく光るたくさんの粒子が一つの場所に集結していく。
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