シャボンの国 -the land of soap bubbles-
「元婚約者の事が好きなんじゃないの…?」
「は…?」
「前に…寝言で名前呼んでた。…リルって」
言葉を落とした花音に聞こえてきたのは溜息。
そして。
「花音。言っとくけどなぁ。昔の婚約者の事なんか好きでも何でもねーよ。あんなの両親に決められただけの婚約だったし。キスすらしてねーんだから、本当に名前だけの婚約者だっつの。それにリルはそいつの名前じゃない」
「え…?」
「だから。俺が好きなのは花音だから。人の気持ち嘘なんて言うな、馬鹿」
コツン、と額に当てられたカイルの額。
それだけで更に縮まる距離感は花音の心を甘く締め付けていく。
「は…?」
「前に…寝言で名前呼んでた。…リルって」
言葉を落とした花音に聞こえてきたのは溜息。
そして。
「花音。言っとくけどなぁ。昔の婚約者の事なんか好きでも何でもねーよ。あんなの両親に決められただけの婚約だったし。キスすらしてねーんだから、本当に名前だけの婚約者だっつの。それにリルはそいつの名前じゃない」
「え…?」
「だから。俺が好きなのは花音だから。人の気持ち嘘なんて言うな、馬鹿」
コツン、と額に当てられたカイルの額。
それだけで更に縮まる距離感は花音の心を甘く締め付けていく。