シャボンの国 -the land of soap bubbles-
誰が反対するわけでもなく、いつか王位はリルが継ぐものとして皆が思い始めた時。
一つの問題が起こる。
「兄上はいいなぁ。そんな風に空を飛べて」
リルの魔力が発動しない。
「何言ってんだ。リルだってすぐに飛べるようになるさ」
シャボンの国に生まれる者はその全てが魔力を持つ。
その魔力が発動されるのは大体が少年期に入る頃からだ。
だが王族の者は国民よりも強い魔力を持つ為、それよりも少し早くに発動する事が多い。
リルはすでに少年期を迎えている。
それでも中々発動する事の無い魔力に王妃が日々焦りを感じ、最近苛々しているのはよく知っていた。
「母上がね?何度も僕に言うんだ。「何故空を飛べないフリをするの?」って。僕、嘘なんて吐いてないのに…」
そう言って項垂れたリルに近寄り、カイルはポンポンと頭を撫でた。
一つの問題が起こる。
「兄上はいいなぁ。そんな風に空を飛べて」
リルの魔力が発動しない。
「何言ってんだ。リルだってすぐに飛べるようになるさ」
シャボンの国に生まれる者はその全てが魔力を持つ。
その魔力が発動されるのは大体が少年期に入る頃からだ。
だが王族の者は国民よりも強い魔力を持つ為、それよりも少し早くに発動する事が多い。
リルはすでに少年期を迎えている。
それでも中々発動する事の無い魔力に王妃が日々焦りを感じ、最近苛々しているのはよく知っていた。
「母上がね?何度も僕に言うんだ。「何故空を飛べないフリをするの?」って。僕、嘘なんて吐いてないのに…」
そう言って項垂れたリルに近寄り、カイルはポンポンと頭を撫でた。