シャボンの国 -the land of soap bubbles-
頭に浮かぶのは幾度となく思い出した母の顔。



母の言葉。





『…ごめんね、カイル…』



『…あ、なたの…、母親になれ、て……』



『幸せだったわ』





同じ事を繰り返すのか?



このまま効くかどうかも期待出来ないような薬を飲むリルをただ見てる事しか出来ないのか?



ずっとずっと後悔していたんだ。



俺はもう二度と。



大切な人を失いたくない。






目的の場所に辿り着いた時。



その人物を目に映した時。



何故か僅かに安心して泣きたくなった。

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