シャボンの国 -the land of soap bubbles-
「だから。迎えに来たんだって。ほら、前にも言ったけど俺魔力あるから花音の場所ぐらいはわかる」



慌てふためく花音に対しカイルは平然と言葉を落とした。




「わっ、わかったから!とにかく浮かぶのやめて!」



「えー。俺浮かんでる方が好きなんだもん」



「もう!変な我侭言わないでよ!」



「それより、お前いいのか?そんな大声出して。周りの奴らに見られてるけど?」



「だからそれは…っ!」




アンタが浮かんでるからでしょうが。




と言おうとした花音を知ってか知らずか。




カイルが言葉を遮った。





「俺、花音以外の奴には見えねぇから、周りの奴らは一人で叫んでる花音を見てると思うけど?」




ニヤリ、とどこかイタズラに笑った顔が悔しくも美しい。




そして。




カイルの言葉に半ば青ざめた花音は逃げ去るかの様に全力疾走したのだった。
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