シャボンの国 -the land of soap bubbles-

「…今までの人たちはどんな願い事してたの？」




そんな思いを振り切るかの様にして花音が口を開けばカイルは少し考えた後、思い出した様に言葉を落とした。




「えーっと。あ、女はぬいぐるみとか人形が欲しいってのが多かったな。男ならラジコンとか、ゲームとか。まぁ、両方に多かったのは菓子類か。あ、それとちょっとマイナーなとこで好きな奴と両思いになりたいとかもあった気がする」




「………何で皆そんなレベル低いの？」




これでは真剣に考えてる自分が馬鹿みたいではないか。



そう思うと自然と花音の眉が顰められた。




「何でとか俺に聞かれても。…まぁ、俺の事呼び出したの全員ガキだったしな」



「え、全員？」



「人間界じゃ、シャボン玉なんてガキしかしねぇんだろ？」



「あ…あぁ、なるほど…」




それを言われてしまうと二十歳の自分がカイルを呼び出した事をどこか複雑に思ってしまう。