シャボンの国 -the land of soap bubbles-
二人こうして肩を並べて歩いていても、自分以外にはその姿が見えないというのだから不思議なものだと花音は思った。
僅かに触れる肩にはきちんと感触すら伴うのに。
ポタリ、と花音の額に冷たい物が落ちてそれがまた落ちる頃には雨だと気付いた。
「あ、雨だ!」
「やべっ、いきなり降ってきたな」
すぐにその勢いは激しい物となり、走り出そうとした花音をカイルが引き寄せた。
「きゃっ、ちょっとカイル?!」
花音の前に現れた時からカイルが身に纏っている黒衣が目の前に映り、その距離の近さに花音の意志とは関係なく心臓が騒ぎ出す。
僅かに触れる肩にはきちんと感触すら伴うのに。
ポタリ、と花音の額に冷たい物が落ちてそれがまた落ちる頃には雨だと気付いた。
「あ、雨だ!」
「やべっ、いきなり降ってきたな」
すぐにその勢いは激しい物となり、走り出そうとした花音をカイルが引き寄せた。
「きゃっ、ちょっとカイル?!」
花音の前に現れた時からカイルが身に纏っている黒衣が目の前に映り、その距離の近さに花音の意志とは関係なく心臓が騒ぎ出す。