シャボンの国 -the land of soap bubbles-
婚約者。





花音の頭にそのフレーズが何度も繰り返された。



それと同時に思い出した名前。




―――リル




その時、花音の中で一つの糸が繋がってしまう。





あの名前はカイルの婚約者のものだったのだろう、と。




それに気付くと、花音の胸が苦しいくらいに締め付けられて。




そして花音は更に気付いてしまった。





自分は。



カイルに恋をしていた、と。
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