別れ道までの距離
なんだかんだふっとばして、
下校時間。
「れーいっ!
かえろおお!!」
なんだか異様にハイテンションな朔。
なにがあったの。
まぁ、顔がにやけてるのをみればなんとなくわかるんだけど。
「えーっ?
あのかっこいい竹原くんと目会っちゃったのー!!」
説明しよう。
竹原くんとは朔が言うイケメンの類に分類される男子で、
彼女は今のところなし。
ファンは結構多い。
私はどこがかっこいいのかよくわからないけど。
「そっか、よし、帰ろう!」
私は一人で悶える朔を横目に、
カバンを持ってすたすたと歩き出した。
朔は不満そうに頬を膨らましながら私についてきた。
その仕草はすごく女の子っぽくて、
女の私から見ても可愛かった。
この時の私は、帰りにあんな光景を見るなんて、
思いもしていなかった。