別れ道までの距離
俺は玲への自分の気持ちが抑えられなくなる前に、
俺は他の人に恋心を抱かないといけない。
誰か他の人を好きにならなければいけない。
そう思ったんだ。
学校に来るのは数回目。
まだクラスの半分の顔もおぼえていない。
友達の優と話しながら俺は人を見まわしていた。
「なぁ、お前もてるからさ、
今日中に誰かに告られるんじゃね?」
と、また優はつまらん事を言い出す。
余計なお世話だ、と頭を叩いて、
俺は玲の方を見た。
やっぱり、俺は玲に恋心を抱いてるんだ。
なんでこんな想いが生まれてしまったのか。
自分は今まで、
玲を好きにならないようにしてきたのに。
玲を好きになってはいけない。
俺は、他に好きな人をつくらなきゃいけないんだ。
「なぁ。優。
俺、彼女ほしいかも…」
俺はそうつぶやいた。