別れ道までの距離
なんとなく女子からの視線には気づいていた。
でも、その半分以上は優に向けて。
「お、蓮、やっとその気になったのか!」
優は嬉しそうな顔でそう言った。
自分で言うのもなんだけど、
俺の顔は悪くはないとおもう。
どちらかと言えば整ってると言われる方だ。
「まぁ、な。
俺もそろそろ高校生だしなー」
気楽に言いながら、
内心は結構焦っていた。
これ以上玲に想いをよせてはいけない。
俺の想いに気付かれるようなことがあってはいけない。
「蓮は多分、
待ってたら女の子が来てくれるよ!」
とか優が言いながらゲラゲラ笑っていた。
俺は頬杖をつきながらため息をついた。
すると、一人の女の子が俺たちの方に近づいてきた。
その女の子はなにも言わずに俺の腕を弱くつかみ、
小さい声でついてきてくださいと言った。
優はにやにやしながら手を振っていた。