Color
「きい!夏休みは一同集まるよな?」
いつものように花札をしながら碧は声を弾ませた。
私は顔をしかめながら一言、そうね。と呟く。
ノリ悪いなー!と碧に言われても、私は無言で札を見た。
「今年でお祖母様95だろ?ピンピンしてて困るよ」
深いため息をつく碧を横目に、
「どーして一同集まるの?」
碧に問う。
私の言葉に目を丸くしていた。
「どうしてって…お前の誕生日だからだろ?」
……え?
「あ、ほんとじゃん」
気づいているわけもなく、私はカレンダーを見て気づいた。
飽きれる碧をほって置いて、花札を片付ける。
負けた方が片付けることになっているから、私はいつも片付けている。
碧は手をヒラヒラと振りながら無言で部屋を出ていった。