恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~
2章:瑠璃色の風

ニライカナイ

与那星島の海の色。


与那星浜に寄せて返る、静かな、波。


優しくて、穏やかで。


不思議な色をしている。


その色を「クリアブルー」だと言った彼は、波のような年下の男の子だった。


比嘉 海斗。


静かに寄せて来て、あたしの中で渦巻くドロドロした物を連れて、水平線のずっとずっと向こうへ返って行く。


だから、海斗と会って話すだけで優しい気持ちになる。


それはきっと、心が浄化されるから。


海斗は不思議な男の子だった。


優しくて、穏やかで、とても静かで。


海斗こそ、クリアブルー色だと思う。


彼はあたしの荒れ果ててしまった心に、透明な風になって入り込んで来て、浄化してくれる人。


そして、この夏。


あたしはかけがえのないふたりに出逢った。


ふたりは燦燦と降り注ぐ太陽のような人たちだった。


いつだって明るくて、元気で。


どこまでも真っ直ぐで。


ちょっぴりおせっかいで、人情に篤くて。


本当に温かくて。


素直で。


色に例えるなら。


……そうだな。


純粋に、単純に。


そうそう。


正直なオレンジ色。













――もう話しかけないで!


あの夜から4日が経っていた。
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