恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~
「あがっ!(痛い) 何するば! 里菜よー」
「失礼だしよー! 口が悪いさ!」
「どこがよ!」
ふたりと会ったのは、海斗と言い合いになって気まずくなってしまった翌日の昼過ぎだった。
「仲良くしようね」
と握手を求めて来てくれた里菜はハンサムガールで。
「島の生活には慣れたかね?」
「……少しだけ。でも、やっぱりまだ慣れなくて」
「だろうねえ。分からん事があったら何でも聞いてくれたらいいさ」
顔立ちはハーフなだけあって美人で。
でも、鼻にかけず、びっくりするくらい気さくでさばさばしていて。
「島に同い年は悠真しかおらんかったからさ、嬉しい」
それでいて人懐っこくて。
「こちらこそ、よろしくね。里菜もあたしのこと呼び捨てでいいよ」
「じゃあ、陽妃」
打ち解けるまで時間は要さなかった。
「陽妃よー、高校はどこか? 決まっとるの?」
「あ……実はまだなの。那覇の私立か石垣島の公立か。迷ってて」
「そうかね。決まったら教えてね。あ、アドレス交換しよー」
「うん!」
「陽妃、って可愛い名前だば」
「そうかなあ……里菜だって」
嬉しくて、楽しくて。
アドレス交換なんて、東京にいた時は日常茶飯事だったし、馴れっこのはずなのに。
たったそれだけの事がたまらなく嬉しくて。
わくわくした。
でも。
「エー(おい)。わんぬアドレスも教えてやるさ」
「え……別にいいよ。ていうか、要らない」
問題は彼だった。
「失礼だしよー! 口が悪いさ!」
「どこがよ!」
ふたりと会ったのは、海斗と言い合いになって気まずくなってしまった翌日の昼過ぎだった。
「仲良くしようね」
と握手を求めて来てくれた里菜はハンサムガールで。
「島の生活には慣れたかね?」
「……少しだけ。でも、やっぱりまだ慣れなくて」
「だろうねえ。分からん事があったら何でも聞いてくれたらいいさ」
顔立ちはハーフなだけあって美人で。
でも、鼻にかけず、びっくりするくらい気さくでさばさばしていて。
「島に同い年は悠真しかおらんかったからさ、嬉しい」
それでいて人懐っこくて。
「こちらこそ、よろしくね。里菜もあたしのこと呼び捨てでいいよ」
「じゃあ、陽妃」
打ち解けるまで時間は要さなかった。
「陽妃よー、高校はどこか? 決まっとるの?」
「あ……実はまだなの。那覇の私立か石垣島の公立か。迷ってて」
「そうかね。決まったら教えてね。あ、アドレス交換しよー」
「うん!」
「陽妃、って可愛い名前だば」
「そうかなあ……里菜だって」
嬉しくて、楽しくて。
アドレス交換なんて、東京にいた時は日常茶飯事だったし、馴れっこのはずなのに。
たったそれだけの事がたまらなく嬉しくて。
わくわくした。
でも。
「エー(おい)。わんぬアドレスも教えてやるさ」
「え……別にいいよ。ていうか、要らない」
問題は彼だった。