恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~
「なっ、何でか! 要らんて何か!」
悠真。
島の子にしてはあか抜けていて、どちらかというと都会的な印象で。
ちゃらちゃらした外見で。
「失礼ないなぐ(女)だば!」
その顔立ちと髪型がなんとなく大我に似ていたものだから。
あたしが一方的に苦手意識を抱いてしまっただけなんだけど。
「ゆたさんからさ!(いいからさ) 教えてやるさ、言っとるば!」
「いや、だから……本当にいいって」
第一印象があまり良くなかったわけで。
「遠慮さんけーって!(遠慮するなって)」
ぶっきらぼうだし。
何より、強引さに引いてしまったというか。
「別に遠慮してるわけじゃ……」
困っていたところに入って来たのは、呆れ顔の里菜だった。
「陽妃。ごめんね。悠真はさバカだけど悪いやつじゃないからさー」
結局断りきれずに、里菜がそこまで言うなら、とアドレスも番号も交換してしまったというわけなんだけど。
ふたりと連絡先を交換した日の夜。
夏休み明けから通う高校決まった。
というより、決めた。
「いいの? 本当に。お金の事は気にしなくていいのよ」
「うん。いい。決めた」
「そう。まあ、陽妃が行きたいなら、お母さんは反対しないけどね」
と言いながら、お母さんは向かい合うテーブルの上のプリントに視線を落とした。
悠真。
島の子にしてはあか抜けていて、どちらかというと都会的な印象で。
ちゃらちゃらした外見で。
「失礼ないなぐ(女)だば!」
その顔立ちと髪型がなんとなく大我に似ていたものだから。
あたしが一方的に苦手意識を抱いてしまっただけなんだけど。
「ゆたさんからさ!(いいからさ) 教えてやるさ、言っとるば!」
「いや、だから……本当にいいって」
第一印象があまり良くなかったわけで。
「遠慮さんけーって!(遠慮するなって)」
ぶっきらぼうだし。
何より、強引さに引いてしまったというか。
「別に遠慮してるわけじゃ……」
困っていたところに入って来たのは、呆れ顔の里菜だった。
「陽妃。ごめんね。悠真はさバカだけど悪いやつじゃないからさー」
結局断りきれずに、里菜がそこまで言うなら、とアドレスも番号も交換してしまったというわけなんだけど。
ふたりと連絡先を交換した日の夜。
夏休み明けから通う高校決まった。
というより、決めた。
「いいの? 本当に。お金の事は気にしなくていいのよ」
「うん。いい。決めた」
「そう。まあ、陽妃が行きたいなら、お母さんは反対しないけどね」
と言いながら、お母さんは向かい合うテーブルの上のプリントに視線を落とした。