恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~
「いいよ」
全部、受け止める。
あたしは静かに目を閉じ、海斗の唇を受け止めた。
潮騒が遠のきそうになった時、唇が離れ、あたしたちは見つめ合ったあと、同時に小さく吹き出した。
「ね、海斗」
「ん?」
「もしかして、また背伸びたでしょ」
「分かるかね」
「うん」
やっぱりね、と海斗の頭に伸ばしたあたしの手をぱしっと捕まえて、
「実はね、また少し伸びよった」
海斗はあたしの腰に手を回しぐいっと体を抱き寄せた。
あたしも答えるように海斗の首の後ろに腕を回して、つま先を立てる。
足元で砂が揺れた。
「もう少し、待っとってね。陽妃のこと守れる男になるからさ」
「うん」
一度目よりもずっとずっと深いキス。
本当に時が止まってしまったのかと思った。
潮騒も、ガジュマルのざわめきも、もう耳に入ってこない。
夜の海に投げ込まれたひとすじの月明かり。
ムーンロードが煌めきながら、揺れていた。
神様。
あたし、ずっと、この不思議な島で。
海斗と一緒にいたい。
このまま時が止まってしまったら、どんなにいいだろう。
そう思ったら、本当に時が止まってしまった。
カフーを願ったあたしたちの時間は、おそらく、この夜に止まってしまったんだ。
深いキスに溺れて、あたしは何も見えなくなっていた。
何をうぬぼれていたんだろう。
この島の掟を破ってしまったこともすっかり忘れて。
掟破りを犯したあたしは、カフーを願う資格なんて、ないのに。
ごめんね。
海斗。
全部、受け止める。
あたしは静かに目を閉じ、海斗の唇を受け止めた。
潮騒が遠のきそうになった時、唇が離れ、あたしたちは見つめ合ったあと、同時に小さく吹き出した。
「ね、海斗」
「ん?」
「もしかして、また背伸びたでしょ」
「分かるかね」
「うん」
やっぱりね、と海斗の頭に伸ばしたあたしの手をぱしっと捕まえて、
「実はね、また少し伸びよった」
海斗はあたしの腰に手を回しぐいっと体を抱き寄せた。
あたしも答えるように海斗の首の後ろに腕を回して、つま先を立てる。
足元で砂が揺れた。
「もう少し、待っとってね。陽妃のこと守れる男になるからさ」
「うん」
一度目よりもずっとずっと深いキス。
本当に時が止まってしまったのかと思った。
潮騒も、ガジュマルのざわめきも、もう耳に入ってこない。
夜の海に投げ込まれたひとすじの月明かり。
ムーンロードが煌めきながら、揺れていた。
神様。
あたし、ずっと、この不思議な島で。
海斗と一緒にいたい。
このまま時が止まってしまったら、どんなにいいだろう。
そう思ったら、本当に時が止まってしまった。
カフーを願ったあたしたちの時間は、おそらく、この夜に止まってしまったんだ。
深いキスに溺れて、あたしは何も見えなくなっていた。
何をうぬぼれていたんだろう。
この島の掟を破ってしまったこともすっかり忘れて。
掟破りを犯したあたしは、カフーを願う資格なんて、ないのに。
ごめんね。
海斗。