恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~
10年後のお互いに手紙を書こう。
「手紙ー?」
「いー。おれや10年後の陽妃に。陽妃や10年後のおれにさ」
15歳の海斗は、27歳のあたしに。
17歳のあたしは、25歳の海斗に。
「何それ……」
あたしが一番、自分に驚いた。
10年後のその瞬間を想像して、猛烈にわくわくしているのだから。
「すっごい、面白そう! それ、乗った!」
その提案にがぶりと食いついたあたしを見て、
「決まりやっさー!」
無邪気に笑った海斗が、ブイをポンと叩く。
あたしたちは10年後のお互いに宛てた手紙を書くことにした。
そして、それを1週間後に持ち寄り、この浜のガジュマルの木の根元に埋める約束をして、
「これでよし。これなら流さりゆん心配ねーらんし、誰も持って行ったりしねーらんさ」
ブイをガジュマルの木の上の方へツルでしっかりと縛り付け、
「帰ぇーろう。美波が待っとる」
「そうだね」
すっかり夕日が沈んだ浜をあとにした。
「あーもー! ずるいさぁ! ずるいっさぁー!」
集落へ帰った時にはもうすっかり日が落ちて、空にはいちばん星がぽつんと輝いていた。
「いーっつもふたりで浜に行きよるー! 美波も一緒に行きたいー!」
比嘉家の前で、顔を真っ赤にして地団駄を踏みながら待っていたのは美波ちゃんだった。
「美波もねぇねぇと遊びたい! にぃにぃばっかずるいっさー!」
美波ちゃんがあたしの手を掴んでジタバタもがく。
「ごめん、美波ちゃん。明日! 明日は3人で行こう」
「わっさん、わっさん、美波」
と海斗がぽんぽん頭を撫でると、
「約束さ! 絶対よ、いいね!」
と美波ちゃんはご機嫌になり、真っ赤なハイビスカスのように元気な笑顔になった。
「にぃにぃ、ねぇねぇ。おばあがアバサー汁作ってくれたんだしよ。ふたりを呼んできなっさー、って」
「手紙ー?」
「いー。おれや10年後の陽妃に。陽妃や10年後のおれにさ」
15歳の海斗は、27歳のあたしに。
17歳のあたしは、25歳の海斗に。
「何それ……」
あたしが一番、自分に驚いた。
10年後のその瞬間を想像して、猛烈にわくわくしているのだから。
「すっごい、面白そう! それ、乗った!」
その提案にがぶりと食いついたあたしを見て、
「決まりやっさー!」
無邪気に笑った海斗が、ブイをポンと叩く。
あたしたちは10年後のお互いに宛てた手紙を書くことにした。
そして、それを1週間後に持ち寄り、この浜のガジュマルの木の根元に埋める約束をして、
「これでよし。これなら流さりゆん心配ねーらんし、誰も持って行ったりしねーらんさ」
ブイをガジュマルの木の上の方へツルでしっかりと縛り付け、
「帰ぇーろう。美波が待っとる」
「そうだね」
すっかり夕日が沈んだ浜をあとにした。
「あーもー! ずるいさぁ! ずるいっさぁー!」
集落へ帰った時にはもうすっかり日が落ちて、空にはいちばん星がぽつんと輝いていた。
「いーっつもふたりで浜に行きよるー! 美波も一緒に行きたいー!」
比嘉家の前で、顔を真っ赤にして地団駄を踏みながら待っていたのは美波ちゃんだった。
「美波もねぇねぇと遊びたい! にぃにぃばっかずるいっさー!」
美波ちゃんがあたしの手を掴んでジタバタもがく。
「ごめん、美波ちゃん。明日! 明日は3人で行こう」
「わっさん、わっさん、美波」
と海斗がぽんぽん頭を撫でると、
「約束さ! 絶対よ、いいね!」
と美波ちゃんはご機嫌になり、真っ赤なハイビスカスのように元気な笑顔になった。
「にぃにぃ、ねぇねぇ。おばあがアバサー汁作ってくれたんだしよ。ふたりを呼んできなっさー、って」