恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~
「やったね! 行こう、陽妃」
「うん。もう、超お腹すいた。行こう」
「おばあのアバサー汁は最高さー!」
と美波ちゃんがあたしたちの手を引いて走り出した。
あたしたちは最近、ほとんど毎日のようにおばあの家で夕飯をごちそうになっている。
海斗の両親もあたしの両親も民宿が忙しくて、どうせろくな物を食べていないのだろう、とおばあの粋な計らいだ。
「どうだね、陽妃」
ズズ、とアバサー汁を啜りながら、無口なおばあが珍しく自分から話しかけてきた。
「何が?」
最近はもう、おばあの独特な話し方にも馴れて、島の方言も分かるようになってきた。
「新しい高校さ。楽しいかね。友達やぁできちゃんかね」
「うん、楽しい。友達もできたよ。みんな優しいしね、充実してる」
「そうかね」
「うん」
おばあの家は古いうえに、照明も昔ながらの物がそのままで薄暗い。
でも、なぜか妙に落ち着く。
それに、おばあが作る料理はどれもこれも絶品で、何を食べても唸ってしまうほどだ。
「おばあの作る料理はどれも美味しいね」
褒めてもおばあは嬉しそうにするわけでもなく、やっぱりそっけなく「フン」と鼻を鳴らす。
「あたり前やっさー」
憎たらしいくらい、無愛想だ。
でも、最近はこの無愛想さも可愛く思えて来た。
あたしと海斗と美波ちゃんはこっそり目を合わせて、くくく、と笑った。
そんなあたしたちをおばあがギロと睨んできた。
「何かぁ」
海斗が答える。
「おばあや、その無愛想がなくなったら終わりさね」
「かしましいやっさー(うるさい)」
あたしは笑いを堪えて、アバサー汁を掻き込んだ。
なんか、楽しい。
「うん。もう、超お腹すいた。行こう」
「おばあのアバサー汁は最高さー!」
と美波ちゃんがあたしたちの手を引いて走り出した。
あたしたちは最近、ほとんど毎日のようにおばあの家で夕飯をごちそうになっている。
海斗の両親もあたしの両親も民宿が忙しくて、どうせろくな物を食べていないのだろう、とおばあの粋な計らいだ。
「どうだね、陽妃」
ズズ、とアバサー汁を啜りながら、無口なおばあが珍しく自分から話しかけてきた。
「何が?」
最近はもう、おばあの独特な話し方にも馴れて、島の方言も分かるようになってきた。
「新しい高校さ。楽しいかね。友達やぁできちゃんかね」
「うん、楽しい。友達もできたよ。みんな優しいしね、充実してる」
「そうかね」
「うん」
おばあの家は古いうえに、照明も昔ながらの物がそのままで薄暗い。
でも、なぜか妙に落ち着く。
それに、おばあが作る料理はどれもこれも絶品で、何を食べても唸ってしまうほどだ。
「おばあの作る料理はどれも美味しいね」
褒めてもおばあは嬉しそうにするわけでもなく、やっぱりそっけなく「フン」と鼻を鳴らす。
「あたり前やっさー」
憎たらしいくらい、無愛想だ。
でも、最近はこの無愛想さも可愛く思えて来た。
あたしと海斗と美波ちゃんはこっそり目を合わせて、くくく、と笑った。
そんなあたしたちをおばあがギロと睨んできた。
「何かぁ」
海斗が答える。
「おばあや、その無愛想がなくなったら終わりさね」
「かしましいやっさー(うるさい)」
あたしは笑いを堪えて、アバサー汁を掻き込んだ。
なんか、楽しい。