恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~
確かに、あたしは海斗が必要だと思ったし、だからそう言った。
でも、この気持ちが「好き」だという事なのかが分からない。
確かに、海斗は言ってくれたけど。
もう少し待っていて、と。
陽妃を守れる男になるから、と。
でも、好きだとか、付き合おうだとか、言われたわけじゃない。
これが俗にいう、アレ、か。
「え……友達以上、恋人未満……?」
あたしは椅子にもたれて、ふむ、と腕組みをした。
正直、本当に戸惑っていた。
やっぱり、いろいろ考えてみても、はっきりとした答えが出ない。
この気持ちが恋であるのかが、どうにもはっきりしない。
腕を組みながら、書き掛けの便箋を見つめる。
何を書けばいいんだろう。
「ダメ。超悩む」
あー、とだらしない声を漏らして、今度は机に頬杖をついてみる。
気付けばもう22時近い。
このまま考えていたら、朝を迎えてしまいそうだ。
「今日はもう寝ようかな」
明日も朝が早い。
朝一のフェリーを逃したら、完璧に遅刻だ。
「明日また考えよう」
別に急ぐことないよね。
あのブイを埋めるまでまだ1週間あるんだから。
まだ1週間、あるんだから。
部屋の明かりを消そうとしていた時だった。
ポーン、とチャイムが鳴り響いた。
「誰……」
こんな遅い時間に。
しかも、1回じゃない。
イタズラみたいに何度も何度も連続でチャイムが鳴った。
「何なのよ」
うるさいなー、と玄関に向かい鍵を外しドアを開けると、
「こんばんは。今いいですか」
「え……」
立っていたのは目を吊り上げて怖い顔つきの、葵ちゃんだった。
「何か用?」
思いがけない夜遅くの訪問者に、警戒心たっぷりの声が出てしまった。
「陽妃さん」
ドアに手を掛け、葵ちゃんがずいっと詰め寄って来た。
「……何、なの」
反射的に後ずさりしてしまった。
「いい加減にしてくれませんか?」
葵ちゃんは、中学生の女の子とは思えないような恐ろしい目つきであたしを睨み付けて、言った。
「海斗に、何を言ったんか」
でも、この気持ちが「好き」だという事なのかが分からない。
確かに、海斗は言ってくれたけど。
もう少し待っていて、と。
陽妃を守れる男になるから、と。
でも、好きだとか、付き合おうだとか、言われたわけじゃない。
これが俗にいう、アレ、か。
「え……友達以上、恋人未満……?」
あたしは椅子にもたれて、ふむ、と腕組みをした。
正直、本当に戸惑っていた。
やっぱり、いろいろ考えてみても、はっきりとした答えが出ない。
この気持ちが恋であるのかが、どうにもはっきりしない。
腕を組みながら、書き掛けの便箋を見つめる。
何を書けばいいんだろう。
「ダメ。超悩む」
あー、とだらしない声を漏らして、今度は机に頬杖をついてみる。
気付けばもう22時近い。
このまま考えていたら、朝を迎えてしまいそうだ。
「今日はもう寝ようかな」
明日も朝が早い。
朝一のフェリーを逃したら、完璧に遅刻だ。
「明日また考えよう」
別に急ぐことないよね。
あのブイを埋めるまでまだ1週間あるんだから。
まだ1週間、あるんだから。
部屋の明かりを消そうとしていた時だった。
ポーン、とチャイムが鳴り響いた。
「誰……」
こんな遅い時間に。
しかも、1回じゃない。
イタズラみたいに何度も何度も連続でチャイムが鳴った。
「何なのよ」
うるさいなー、と玄関に向かい鍵を外しドアを開けると、
「こんばんは。今いいですか」
「え……」
立っていたのは目を吊り上げて怖い顔つきの、葵ちゃんだった。
「何か用?」
思いがけない夜遅くの訪問者に、警戒心たっぷりの声が出てしまった。
「陽妃さん」
ドアに手を掛け、葵ちゃんがずいっと詰め寄って来た。
「……何、なの」
反射的に後ずさりしてしまった。
「いい加減にしてくれませんか?」
葵ちゃんは、中学生の女の子とは思えないような恐ろしい目つきであたしを睨み付けて、言った。
「海斗に、何を言ったんか」