幻想館-赤ずきん編-
「それは、あなたが記憶を取り・・・戻そ・・・・・・」




・・・・・・意識が戻る。


そう、私はまた物語を見ていた。



そこには、館長さんの姿は見えなかった


何処へ行ったのかな

さっきまで側にいたよね。


急に一人になると、何だか怖い・・・


いえ、きっと用事ができて、席を外しているだけ・・・・・・


テーブルの上の紅茶

入れ直してくれたのだろうか?


ティーカップが温かい。


少し安心した。



良かったぁ、館長さんはキッチンにいるんだわ。


勝手にそう思いこんだ。


一人の怖さから、逃れる為に。



ランタンは、ぼんやりと薄明かりのまま

いつの間にか物語はそろそろ華僑に入る

私は椅子の背もたれに寄りかかった。



何だか、少し疲れたわ。



何となく、体中が重い。



私・・・様子が変?


腕が痛い!


さっきより、傷が増えている。



何故なの!


わからない事だらけ
館長さんは、まだなの!?



一人じゃ、寂しいよ!


お願い・・・・・・


誰か・・・


助けて・・・



・・・・・・おかあ・・さん・・・



意識が遠のいていく

・・・まただ・・・







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