幻想館-赤ずきん編-

真実と選択

<少女の家>



「何を黙ってるの!」


「えっ?」


聞き覚えのある声。


私は辺りを見回した


・・・ここは・・・私の家・・・?



間違いなかった。


見慣れた部屋の風景だった。



「勝手にこんな事を決めて、私に一言もないなんて、いったいパパ達は何を考えているのよ!!」



母親はテーブルの上を強く叩いた。


「私、何も知らなくて急にお婆さんの所に行きなさいって・・・」


・・・・・・私がお婆さんの所へ行く?



「とぼけるのも、いい加減にしなよ!」


次第に声が荒々しくなる。


「私は何も聞かされてなかったわ!!」

私は反論していた。


すると母親は、いかなり立ち上がり、娘の頬を平手打ちした

「口ごたえするんじゃないよ!
育ててやった恩も忘れて、どういうつもりだよ!!」


私はこの母に対し、愛情と憎しみが常に交差していた。


母が家に帰らないのは、幼少のころからだった。


幼い私。


母に甘えたい。


度重なる虐待。


抵抗出来ぬ幼少の頃

・・・そう、私はあの赤ずきんと一緒・・・・・・

赤ずきん・・・?



私は窓ガラスに映る自分の姿に気がついた。



赤・・・?


何故?


お母さん?


部屋の中をゆっくり見回した。


そして・・・
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