隣の人形

「霊は見えないからな」

「影無君。なんでもかんでも壊せばいいってわけじゃない」

「うん」

「残して置きたいものも人にはあるんだ。
もちろん霊にもある」


「うん」

「新しいものを作ることだけが、素晴らしいわけじゃない」

「うん」

「新らしい建物を建てた所で、神様になれるわけじゃない」
「そうだな」

「俺は間違えただろうか。町の人の大切な建物を守るため、霊の場所を守るため、桐倒一族を壊した」

「さあな」
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