隣の人形

「優しいな。影無君」

「お前もな」



寺崎は、足元の石を蹴った。

「寺崎」
「何?」
「俺が死んだらお前に会いに行っていいか」
「うん」



俺は寺崎の家を離れた。
俺は寺崎を軽蔑したりしない。
軽蔑
出来なかった。
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