隣の人形
俺は思い出す。


姉は、
あの日、
隠れて彼氏に会っていた。



彼氏は冗談めいて、
「人形みたいだ」
と言った。


彼氏は
「綺麗にしよう」
と、
姉の体についた―。


彼氏に兄なんて、

本当は、

俺が

人形に、

目玉を、完璧な、姉が
汚れた姉が、

死んだ姉は、
俺を睨んでい、


あの人形の目。


アノニンギョウノ目でー。


俺は思い出した。

姉を殺したのはー。
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