隣の人形



気がつけば、体が透明になっていた。
寺崎に会いに行ったら。
寺崎は泣きそうな顔をした。

「ばかやろう…」


寺崎は泣いた。
それこそボロボロと、子供が泣くみたいに。寺崎は泣いていた。

「本当に、死ぬやつが…あるかよ…」


寺崎らしくないなと俺は笑った。
寺崎は、

「ばか」
と、また言った。


霊になった俺がすることは一つ、
姉さんに謝りたかった。
それだけのために、飛び出したのだ。
寺崎にその旨を伝えた。
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