隣の人形
【影無Side】

「姉さん」
「遅かったねー。弟ちゃん」「ロリ姉だ」
「全力できもいねー」
「姉さん」
「ん?」
「姉さんは辛かった?」
「あはは。完璧。で居なきゃダメだったからねー」
「姉さん。ごめん」
「ん?」
「完璧を求め続けて、完璧な姉さんを求め過ぎて、俺は―」
「んんー?あれってさ」
「うん」
「私が彼氏に殺されて、彼氏が弟に殺された事件じゃないー?」
「…」
正直記憶が曖昧で確かに、分からない。
「分からないの。
誰に殺されたか分からないのよー。
ふふ、でもさ、人形にしてしまいたいほど愛されて幸せよ。犯人が彼氏であっても、弟ちゃんであってもねー」
「俺、でも」
「単眼児を殺したのは、二人でだったね?」
「えっと、うん」
そうだったのだろうか。
「でも本当はよく分からないのよー。私は殺してないかもしれないし、よく分からない。もしかしたら、燃やしにいこうとしたら先に燃えてた。それが真実かも」
「…」
「だからね」
「うん」
「もう。過去とはオサラバしなさいなのよー」
「でも」
「いいのよ。あんたの罪は私が持ってくわ」
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