隣の人形

「母親に、一万回死ねばいいと願ったことがある。
喧嘩をして、母さんなんか、いらないとな。
そしたら死んだ。
次に、母さんが生き返る様に願ったら、
母さんは生き返ったよ。

些細な喧嘩を繰り返し、
繰り返し、居なくなれと願った

そしたら計一万回死んだ。
逆に一万回生きて欲しいと願ったことがある、
そしたら一万回生き返った。


願えばなんでも叶うのは苦痛である。

誕生日が嬉しくて、
誕生日がずっと続けばいいと願ったら、
誕生日がループしおった。
七千回ループし、
止めてくれと願ったら止まった。

子供のままで居たいと願ったら、
成長がとまりおった。


神は何も願ってはならんのかもしれんな。

神なんてつまらぬ。


お前、神になりたいかね?」
俺は…。


「姉様も生き返るやも知れぬぞ」


気がつくと神様は居なくなっていた。
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