隣の人形
「私があげた力はお前にやろう。
それを使いたいなら使えばいい。
だが、この先お前の一族は、幸せにはなれない。
呪いだ。一族への呪いだ。
お前の一族はそれは、美しい容姿で生まれてくるだろう。
だが、けして愛しい人とはむすばれぬ体で生まれてくる。
ある子は男性の心に女性の体で生まれてくるだろう、ある子は、男性と女性入り混じった体。
ある子はどちらにも属さない体。
ある子は女性の体に男性の心。
美しい容姿から、
多いに好かれるだろう。
だが、
けして自分が好きになった者とはむすばれぬ。
体と心がちくはぐな者など、この世ではただの化け物である。
けして、幸せにはさせない。忘れるな」
山の神はそういい消えた。