隣の人形
寺崎は、無表情である。

「よくもベラベラと話した」

確かに、
寺崎がもてるのに誰とも付き合わないわけもつじつまがあう。

もしかしたら、あそこにいる赤い小さい神様は、
その呪いをかけられた男自身なのかも知れない。


神と同等の力を手に入れ、

―死ねなくなった男。



寺崎は一言、
「気持ち悪いだろ?荒唐無稽だがな…、
呪いなんて」


といい、部屋を出て行った。




寺崎を
追いかけたが捕まらなかった。
俺は。
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