隣の人形
それでも寺崎の友達だ。
寺崎は、しばらくしてこの町から居なくなった。
本家をつぐためである。
寺には、黄色崎がいた。
のちに黄色崎に聞いて、
どうして黄色崎があの話しをしたのか、分かった。
寺崎は悩んでいた。
自分が何であるのか?
自分の性別がどっちであるのか?
悩みなんてなさそうにみえる寺崎は悩んでいた。
黄色崎は、俺にそれを解決して欲しくて話したらしい。
俺はどうすれば良かったのだろうか、
寺崎は、
今どこにいるのだろうか。
今となっては、分からない。
「影無さん」
「うん?」
「どうして、僕は寺崎さんの近くにいたのに、寺崎は悩みを話してくれないのでしょうか」
それは寺崎のプライドだったのかもしれない。