隣の人形
ああそれは、
人間を殺してはダメなのに、動物を殺していいのは何故か。
というのと似ているな。
動物を生きるために殺していいなら、
生きるためなら人間も殺していい。
そんな倫理感。
「結局、僕は、怖かった。
他人を殺すのが怖かったんです。
僕は、出来そこないなんです。
割り切ることが出来なかったんです。
…そんな僕を助けてくれたのが、寺崎さんです」
といい黄色崎は、
笑った。
そして、
「これも止められていましたが、僕と寺崎さんは寿命が半分ずつなんです」
そうか、ドッペルゲンガーは、そいつを殺してそいつの人生の残りをもらう。
だから、二人生きているということは、
半分ずつということか。