隣の人形
「俺達は、二人で一人みたいなもんだ。多分」
「夫婦ですね」
黄色崎はもう泣いたりして居なかった。
「いや違う。
というか、お前俺と同じ顔じゃないか、なんで同じ顔で夫婦とか言えるのか分からない」
寺崎がドン引きしていた。黄色崎は、パッと笑顔になり、はしゃぎ出す。
ありえない位、情緒不安定な、黄色崎。
これも寺崎の一面なのかもしれない。
精神が安定しすぎている寺崎と、精神が不安定すぎる寺崎、
二人で一つなのかも知れない。
「寺崎さん」
「なんだ」
「寺崎さんが悩んだら、僕に言ってくださいね?」
「いや、言わない」
「なんでですか!?」
「それより寺崎さん。この服どうです?似合いますか?」
「お前はどうやら変態らしい」
クルリっと回る寺崎。
「僕は寺崎さんの中の、変態な部分寺崎ですよ」
「そんな部分はない」