隣の人形

「固有の世界で、自分に酔いしれて生きているあんたたちの方がファンタジーよ!
自分を闇から生まれた存在とか、いつか世界を救う旅にでるとか、必殺技練習するとか!あんたの家にいる木彫りがいってたんだけど」
「お前木彫りと会話できんの!?」
どんなだよ。
超能力か。こいつは。

「あんたの引き出しの中にある黒いノートには…」

「分かった。謝るからやめてくれ!」
これ以上。俺の古傷をえぐられたくない。

「ちなみに、あんたがはじめて…」
「やめろぉぉ。ごめんなさいいい。やめて下さい」

「ふ、ふん、わかればいいのよ。ま、木彫りちゃんはあんたのこといい奴って言ってたわ」
「木彫りめ、おしゃべりが過ぎるぞ…」
「ずっと大切にしなさいよね!」
「木彫りをか!?」

すっかりカップルは居なくなっていた。

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