隣の人形
「これも、特殊メイクですよ。キャラ作りの」
建月は、
笑った。
「こうすれば、寺崎先輩が構ってくれると思ったんです」
「…」
「ねえ、影無先輩。どうしてヒロインでないものは結ばれないのでしょうね?どうしてスポットを浴びないのでしょうか」
「…建月」
かける言葉が見つからなかった。
建月が求めてるのは寺崎だ。
たった一人、寺崎だけを求めている。
「私の母、再婚したんです」「これって不幸ですよね?私はヒロインにまだなれないのでしょうか」
建月は、無言のまま、屋上から去っていたた。