隣の人形
・・・誰だあれは。

オタク丸出しのファッションに、
汗をかきながら走ってくる青年。

おそらく大学生位であるだろう。


「え・・えっと・・」

「だめだ・・だめだだめだ」


泣きじゃくる大学生。

「彼女は成仏しなければ、二度々人間にはなれません」
寺崎は、大学生に話かける。


「それでもいい。俺がとりつかれてもいいから」


「たのむたのむたのむ」

いや、とりつかれるもなにも、

と、いうかそもそも、
彼女はこいつのひどさに辟易して寺崎に相談。
→寺崎、成仏しなければ彼女が危ないことに気づく
→成仏させるために遊園地に来た

である。



こいつは、一体。

「お前達は、彼女と僕の仲を斬り裂こうとしているんだ!僕たちは幸せで・・・・」

わけのわからないことを、わめきたてる大学生。



「私、成仏しますね・・・」
「それがいいですね」
寺崎は幽霊に答える。

「本当の怖いのは人間ですね」
「そのようです」

あっけなく彼女は、成仏をした。


「う、うーうーわーあああーーーーああああーーーーああーあー、
幽霊。僕の幽霊ゆうれいゆれい幽霊幽霊幽霊、一緒にいたのに。
あーあーあーあーああーーー」


わめいている大学生は、逮捕された。
その後、幽霊たんが、幽霊たんが、と錯乱し精神病院に運ばれたと、聞いた。



本当の意味で
彼は幽霊にとりつかれたのかも知れない。






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