隣の人形
「寺崎さん、僕には外で寝かしてくれて。
現実の厳しさを教えてくれました。
僕が無理です。
というと、俺なら堪えた。って言われて、
じゃあ僕も堪えないわけには行かないです。
だって、
僕は寺崎なんですから」
気づけ、それはいじめだ。
「僕、寺崎さん大好きです」
ほう、と顔を赤らめる黄色崎。
これは、ナルシストとは
、違う分類なのだろうか。
寺崎(本物)、ますます
性格が読めない。
だが
鬼であるのは間違いない。
と、寺崎(本物)が戻ってきた。
相変わらず、笑顔である。
「影無君、ジュース」
「あ、ありがとよ」
「はい。黄色も」
「ありがとうございます!」
…黄色崎には、おしるこだった、…お前、おしるこ、わざわざ買いに行ったのか?
このクソ暑い中。
拷問である。
「あつう!?」
熱がる黄色崎、
「気をつけた方がいい。それが現実だ」
と、オレンジ崎。
………。
一つ分かった。
こいつは、寺崎(本物)はドエスだ。