隣の人形

そういうと転校生は俺の隣に座った。

なんだか意識がぼーっとしてきた。
暑いからだろうか?
そういえば、小学生のころ、寺崎は、
寺崎は女子だった気がする。いや、違うか。
寺崎は、男子だ。



なんだか、
頭がぼーっとする。

俺と寺崎と姉は、サーカスを見に行った。

寺崎は相変わらず
動じなくて。

姉は―。


俺達は
そこにいた、奇形児を俺達はみた。

単眼の―。ああ、ここでも眼だ。俺の周りには眼が多い。
単眼の眼は、何も見てなかった。
人形の眼は俺を見ていた。単眼の眼は。
一体何を?


奇形児にお金を払う大人達。悲鳴をあげながら、
喜ぶ女性。
コレクションにしたいと、言っていた大人。

これは生きているのか?
もちろん生きております―。
< 65 / 211 >

この作品をシェア

pagetop